米菓カテゴリーは2022年2月の三幸製菓出荷停止から回復に向かうまで大きく変動しました。KSP-POSデータから過去1年で大きく変化した米菓カテゴリーの状況を確認してみましょう。
米菓の年次販売金額はコロナ禍の巣籠り需要の反動で、過去2年微減で推移。
出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット)
月次の販売金額前年比は2022年3月からマイナスだったが10月でプラスに転じ、2022年12月に109%に達した後伸長率はやや小幅になったが、2023年3月に再び109%の伸びを示した。
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販売金額伸長の一因は値上げで、米菓の平均価格は昨年春ごろから上がり始め110%の上昇を示した月もあったが、一巡した2023年3月は前年比101%と落ち着きを見せている。米菓に関しては容量や入り数変更による実質値上げの商品が多くみられた。
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一店当たりの販売数量は昨年3月から前年比最低81%とマイナスで推移していたが、2022年11月にプラスに転じ、2023年2月は前年割れしたものの3月は前年比108%と再び増加に転じた。
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販売金額が2023年3月に109%の伸びを示した理由の一つとして、2022年2月半ばから出荷を停止していた三幸製菓が9月頃から生産を再開し、出荷停止前には及ばないものの売上が徐々に回復していることが挙げられる。
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米菓の総アイテム数は2022年7月以降減少が続き、2023年3月は3,019アイテムと前年から285個減少した。
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一方、1店当たりの平均扱いアイテム数は2022年4月以降前年から最高14個減少したが、2023年2月には前年をやや上回るレベルに回復。
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メーカー別では2022年3月に売上が拡大した亀田製菓が金額前年比97%、岩塚製菓が103%と米菓合計の伸長率を下回った。一方、三幸製菓は200%と大幅に回復し、栗山米菓・天乃屋はそれぞれ116%、115%と米菓合計を上回る伸びを見せた。
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首位は亀田製菓で、2023年3月の金額シェアは昨年1月と比較すると約2ポイント拡大。三幸製菓は2023年1月に17.5%まで回復したが2月・3月と若干シェアを縮小した。一方、栗山米菓や岩塚製菓などのシェアが拡大している。
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4月10日週のアイテムランキングのアイテムランキングを見ると上位30商品のうち23アイテムが過去1年以内に出現した商品で、入り数や容量変更による実質値上げのアイテムが大半を占めている。
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今後三幸製菓がさらに回復した際、米菓カテゴリー内の力関係に変化が生じるかどうかが気になるところだ。